■クイックピーク & カットパイ
『かもしれない運転』を、ご存知だろうか。「そこに歩行者がいるかも知れない。」「歩行者が飛び出して
くるかも知れない。」と、危険を意識して回避する運転方法をいう。逆に、『だろう運転』というのがあり、
「安全だろう。」「歩行者はいないだろう。」と危険に対して軽率に運転することをさす。
近接戦闘では、まさに、『かもしれない戦闘』を心がけることなのです。
TOPページで解説したように、車の運転技術に共通するところが多々見られます。
道路上では、信号やカーブミラーが、コーナーを曲がる際の道標になりますが、インドアコンバットでは、
ありえません。そこで、もっとも慎重にルームクリアリングするには、コーナーのクリアが、重要です。
コーナーをクリアするには、2つの技術があります。
ひとつは、カットパイ(カッティングパイなどともいう)があり、もうひとつは、クイックピークといいます。
車の運転で言えば、曲がり角に差し掛かれば、「出来るだけコーナーに近づきながら、徐々に減速し、
左右を確認しながらハンドルを切る。」これを、CQB戦術で言い換えれば、コーナーのクリアは想像に
たやすいことでしょう。
コーナーに出来るだけ近づくことの重要性は、左の図で
解かるように、青の方が的として露出する面積が少ない
からです。青が赤を狙えば、赤は体の100%を露出して
いることになります。赤が青を狙っても青の上半身のうち
の30%程度しか露出していないため、青の方がBEST
といえます。したがって、コーナーに、早く着いたほうが
有利である理由です。
あなたが、対戦相手の立場で考えれば、当然、角を曲がって進入してくるでしょうから、進入してくる
であろう曲がり角にサイトを構えるでしょう。つまり、あなたが今曲がろうとしているコーナーは狙われて
いるのです。うかつに飛び出ようものなら狙撃されるでしょう。そこで、二つの技術が必要となります。
カットパイとは、少しづつ死角を拓いてゆく方法です。
自分の体を少しづつ移動させることで死角を捕捉します。
(他のサイトでも充分に説明されていますのでさらっと
説明します。)
常に、訓練で試しながら、実践してほしいのですが、あなたにとっての死角は、相手にとっても死角で
あること(が多い)。あなたが、相手を捕捉した時には、相手も同時に捕捉しているのです。